家電製品の選び方と買い方

石油ストーブの選び方

最終更新日 2018年10月19日

石油ストーブとは

石油ストーブは、灯油を燃焼させて発生した熱で、お部屋全体を暖める事ができる暖房器具です。石油を燃焼させる暖房器具として石油ファンヒーターもありますが、これと違って石油ストーブはファンを利用せずに、自然な空気の流れを利用して、お部屋全体の空気を暖めます。

そのため、石油ファンヒーターと比べると、お部屋全体が十分暖まるまで時間がかかります。また、石油ストーブは電源コンセントからの電力供給が無く、乾電池で動作しますので、室温制御といった機能がありません。

しかし、石油ストーブにはメリットもあります。石油ストーブは、ファンがありませんが、ファンが無いので静かです。また、石油ストーブは乾電池で動作しますので、電力供給が無い環境でも使用できます。乾電池は点火時に使用しますが、乾電池が無くてもマッチ等で点火する事もできます。

他に、石油ストーブは電子制御といった複雑な部品が少なく、シンプルな設計となっていますので、故障しにくく価格が安いのも大きな魅力です。

石油ストーブの形の選び方

石油ストーブには、様々な形をした製品が見られますが、大きく分けて以下のような形の石油ストーブがあります。

対流形

石油ストーブには、炎が燃える場所となる燃焼筒があります。対流系の石油ストーブは、本体が縦に長い塔のような形状をしており、燃焼筒が中心に置かれ、周囲全体に熱が放射されるようになっています。

周囲全体に熱が放射されるため、空気を対流させる力が大きいです。そのため、特に広いお部屋での使用に向いており、なるべくお部屋の真ん中の方に設置すると、暖房効果がより高まります。

反射形

反射形の石油ストーブは、本体が長方形のような形状をしており、燃焼筒が置かれている場所の背面や側面に反射板があります。反射板により熱が反射板が無い方向へ強く放射されるようになっています。

対流形よりも空気を対流させる力が劣りますが、反射板により遠くまで熱が届きますので、お部屋の端に設置して使用するのに向いています。

どちらを選ぶか

反射形の石油ストーブは、お部屋の空気を対流させる力が弱い事もあり、広いお部屋には対応できません。石油ストーブを15畳を超えるようは広いお部屋で使用するなら、選べるのが対流形の石油ストーブに限られてきます。

10〜15畳程度のお部屋では、対流形、反射形どちらも選択肢に入ってきますが、通気性が高い木造住宅や寒さが厳しい寒冷地では、お部屋が暖まりやすい対流形の方が望ましいです。

10畳未満のお部屋では、どちらでも十分早く暖まる可能性が高いですが、お部屋が狭くなってくると、置き場所が問題になってきます。対流形の石油ストーブは、周囲全体へ熱が放射されるため、壁から離す必要があります。(壁が高温になっても問題なければ、壁際設置も可能です。)そのため、熱が放射される方向が限られている反射形のストーブだと、お部屋の隅に設置できるので、こちらを選択するのが無難です。

部屋の広さ(畳)の選び方

石油ストーブは、製品によって暖房能力が異なります。その暖房能力の目安として、仕様等には対応する部屋の広さが記載されています。畳という単位で記されており、さらに木造住宅と鉄筋(コンクリート)住宅の場合に分けて記載されています。

使用するお部屋の広さに合わせて選ぶのが基本であり、通気性が高い住宅や寒さが厳しい寒冷地では、2〜3畳程度の余裕を持たせて選ぶと良いです。

大は小を兼ねますので、想定外の広いお部屋で使用する事も考えて、使用予定のお部屋の広さの割りに暖房能力が高い(対応するお部屋が広い)石油ストーブを選ぶと、暑くなりやすいです。石油ストーブはお部屋を暖める早さは、石油ファンヒーター等と比べると劣りますが、お部屋を暖める力は劣らず高く、石油ストーブは室温制御といった機能が無いため、暑くなりすぎたら、石油ストーブを消す、石油ストーブの火力を調節するといった手間が多く発生します。

そのため、特に通気性が高くなく、寒さが厳しい寒冷地で無ければ、使用するお部屋と同じ広さに対応する石油ストーブを選ぶのが無難です。

対震自動消火装置の確認

石油ストーブは、構造上の理由で転倒してしまうと、火災につながる可能性が非常に高いです。そのため、地震や外部からの衝撃が加わったら自動で消化する装置が必須です。

安全上どの石油ストーブにも、対震自動消火装置が付いていますが、選ぶ時は付いているかどうか念のために確認しておきたいです。