家電製品の選び方と買い方

洗濯機をアースせずに使っても問題ないのか

最終更新日 2018年10月19日

アースできるならアースして使う方が良い

洗濯機を設置する場所に、アース端子やアース棒があり、アースできるならアースして使う方が良いです。

洗濯機を設置する場所なのに、アース端子やアース棒がない住宅がありますが、そのような住宅でアースして洗濯機を使うには、アースを設置する工事が必要です。

アース設置工事には、電気工事士という資格が必要であり、たいていの人はアース設置工事を請け負う業者に相談し依頼することになります。

そこまでするのが億劫で、アースせずに洗濯機を使うか迷うところですが、洗濯機に限らず電気を利用する家電製品を、水気や湿気のある場所で使うなら、安全に使うためにはアースが必要です。

屋内に設置するとしても、洗濯機は水を利用するため、水気や湿気から逃げられません。洗濯機をアースせずに使うと危険性が上がります。

アースせずに使うと危険性が上がる理由

アースは、洗濯機に漏電が発生した場合に、漏れ出た電流を大地に逃がし、感電を防ぐためにあります。漏電とは、本来は電流が流れないところに流れてしまっている状態を意味します。

通常は、電流が流れる部分は、電流を通さない絶縁体で覆われていますが、絶縁体の不備や損傷、劣化等で絶縁できなくなると、漏電が発生することがあります。

水は電流が流れますが、電流が流れる部分に水が侵入した場合でも、漏電が発生することがあります。

アースしておければ、漏電が発生して漏れ出た電流が大地へ逃げます。本来は電流が流れないところに流れてしまっているところに人間が触れてしまっても、電流の大部分はアースにより大地へ逃げますので、人体には致命的な影響を及ぼすほどの電流は流れません。

人体よりもアースの方が抵抗が小さく、電流が流れやすいからです。電流は、抵抗が小さい方に流れやすいです。もしアースしてなければ、人体には致命的な影響を及ぼすほどの電流が流れる恐れがあり危険です。

アースせずに使うなら自己責任で

アースの役割について知ると、洗濯機はアースをして使用しないと危険のように見えます。洗濯をアースして使うより、アースしないで使う方が危険なのは確かですが、それほど神経質になる必要はありません。

まず洗濯機は機能や性能に限らず、安全性も技術進歩により向上しています。特に人間が触れる部分の絶縁処理は重視して作られています。

さすがに水没してしまうと無理ですが、洗濯機内部に水が侵入しないよう防水処理されていますので、水が多少かかった程度なら漏電が発生することはありません。

水が入る洗濯槽等に水漏れがあってはならないので、こちらも洗濯機内部に水が侵入しないよう防水処理されています。

だからと言って100%安全ではありません。洗濯機に限りませんが、どうしても不良品が発生してしまうように、絶縁処理や防水処理に不備がある可能性があります。

衝撃等の外部要因によって絶縁処理や防水処理に問題が発生する可能性もあります。また、経年劣化は避けられませんので、永久に絶縁処理や防水処理が有効にはなりません。

洗濯機で漏電が発生した事例がありますので、そのことからも100%安全ではないことがわかります。洗濯機の漏電発生確率を調べたデータ等がないので根拠はありませんが、恐らく洗濯機で漏電が発生する確率は非常に低いと思われます。

それでも万が一漏電が発生し感電したら大変ですので、洗濯機はアースして使うのが無難です。洗濯機をアースせずに使う方がいても、無理に止めはしませんが、もし漏電で感電しても自己責任です。

漏電遮断器があれば安全か

漏電遮断器は漏電を感知すると電気を止めますので、漏電遮断器があれば洗濯機をアースせずに使っても安全そうですが、漏電遮断器はアースと組み合わせて使うことで安全性が高まります。

漏電遮断器は、簡単に言えば流した電流と戻ってきた電流の量に差があれば漏電が発生したと判断しますが、アースされていれば大地に逃げた電流の分だけ戻ってきた電流の量が減りますので、すぐに漏電を感知できます。

アースされていなければ、すぐに漏電を感知できず、電流が人体を通して大地に逃げたら感知しますので、感電を防げません。漏電遮断器は、一瞬で漏電を感知して電気を止めますが、それでも人体に致命的な障害を及ぼす電流が流れてしまう恐れがあります。

漏電遮断器もアースもないよりは安全性が高いですが、漏電遮断器があれば安全ではありませんので、漏電遮断器があっても洗濯機はアースして使う方が良いです。

漏電遮断器が普及し、分電盤の中に漏電遮断器がある家庭が多いですが、古い住宅等ではない場合があります。もし漏電遮断器を導入したい場合、分電盤に漏電遮断器を取り付けるとなると工事が必要ですが、コンセントに差し込むだけで使えるプラグ形漏電遮断器があり、これなら工事不要で簡単に取り付けられます。

漏電遮断器があり、アースしておけば100%安全ではない

漏電遮断器は故障する可能性がありますが、アース自体も100%機能するとは限りません。アース工事の不備、外構工事等における作業ミスで、アースを通して大地に電流が逃げる状態になっていない可能性があります。

万全を期すなら、電気保安協会による定期調査で、漏電遮断器とアースの点検をしてもらうと良いです。