家電製品の選び方と買い方

電子レンジによる解凍は時間かかる理由

最終更新日 2018年10月19日

凍った状態の水に対しては電磁波があまり作用せず、あまり熱が発生しない

電子レンジでは、凍っていない食品は割と短時間で温まります。例えば、水の場合、水の量や電子レンジの出力等によって異なりますが、コップ一杯程度の水であれば1分もあれば、触れないほど熱くなります。

一方、凍った食品だと、温まるまでに時間がかかります。例えば、冷凍食品の場合、パッケージに記載してある調理時間のとおり、温まるまでに結構時間がかかります。冷凍しておいた肉や魚等を、温めて解凍するのにも結構時間がかかります。

電子レンジは、高周波の電磁波を発生させ、その電磁波が食品に含まれる水分子に作用し、水分子が熱振動して熱が発生するので食品が温まりますが、凍った状態の水分子だと電磁波が作用しにくくなります。これが、解凍に時間がかかる理由です。

話をシンプルにするために、水と氷で比較します。氷は、水分子が凍った状態になっています。水に対しては電磁波がよく作用して熱が発生しますが、氷に対しては電磁波があまり作用せず、あまり熱が発生しません。

全く熱が発生しないわけではありませんので、徐々に氷は解凍されて解けていきますが、解けるまでに時間がかかります。実際に電子レンジに氷を入れて加熱してみると、解けるスピードはかなり遅いことがわかります。

冷凍食品も冷凍しておいた肉や魚等も、氷を温めていることと実質同じですので、電子レンジによる解凍は時間がかかるというわけです。

ちなみに、電磁波を利用して短時間で解凍することは可能であり、それができるものは高周波解凍装置等と呼ばれ、業務用で使われています。

高周波解凍装置は、電子レンジとは異なる周波数の電磁波を利用しており、その電磁波を利用するには高周波解凍装置を設置した部屋または建物の外部に電磁波が漏れないようにしないと電波法に違反してしまいますので、家庭で使われる電子レンジでは実質利用できません。