家電製品の選び方と買い方

薄型テレビの選び方

最終更新日 2018年10月19日

薄型テレビのタイプ

地上デジタル放送の普及の始まりによりどの家庭でもハイビジョン放送が視聴できるようになるため、そのメリットを活かした薄型テレビの人気が非常に高くなってます。もう従来のブラウン管テレビから薄型テレビへと世代交代していく時期でしょう。

ブラウン管テレビは、映像を映し出すために電子銃から出た電子ビームを曲げる必要があるため、ある程度の厚みが必要でした。一方薄型テレビは、画面に非常にたくさんの画素と呼ばれる部分が密になっており、それぞれの画素が色を表現し明るさを調整できるため、厚みが無くなり薄型にできるようになりました。薄型テレビには幾つか種類があり、それぞれ画素の明るさの調整や色の再現方法が違うため、それぞれ得意分野があります。

薄型テレビには主に液晶テレビとプラズマテレビ、有機ELテレビ、リアプロジェクションテレビの4種類あります。その内の液晶テレビとプラズマテレビがよく普及しており、各メーカーから様々な薄型テレビが販売されています。2008年から有機ELテレビが普及していくかもしれません。有機ELテレビは、非常に薄型軽量で画質も高い新しいタイプのテレビですが、大型化が難しく、まだ画面サイズが小さい製品しか販売されていません。

テレビのサイズと設置スペース

一般的に、ブラウン管テレビなら、画面の高さの5倍の距離、液晶テレビやプラズマテレビ、有機ELテレビ、リアプロジェクションテレビなら画面の高さの3倍の距離でみるのが目に優しいです。お部屋の環境に応じてテレビのサイズを選びましょう。

液晶テレビなどは、画面サイズが〜V型と表示されています。このV型とは映像が実際に映る有効画面の対角寸法を基準とした大きさです。ちなみに従来のブラウン管テレビなどでは、映像が映らないところも含めた外形対角寸法を基準としています。

設置スペースは、ブラウン管テレビは特に奥行きに注意してください。その分画面との距離も近くなることに注意してください。また大型テレビを購入するなら、液晶テレビやプラズマテレビでも十分に置き場所を確保しましょう。

液晶テレビとプラズマテレビ、リアプロジェクションテレビの特徴

液晶テレビとプラズマテレビは似てますが、価格や性能が結構違います。自分の環境に合わせて選びたいです。

メリット デメリット
液晶テレビ 大型でなければ、本体の重量が軽いので壁掛け設置可能。

消費電力が少ない。

液晶パネルのバックライトの寿命が長い。

液晶テレビの方がメリハリがあった鮮明な画質が楽しめる。

照明や太陽等の明かりが強い環境でも、光の映りこみが少ない。
画面の大型化が難しいため、最大画面サイズはプラズマテレビに負ける。

プラズマテレビと比べて、大きさの割りに価格が高い。

視野角がプラズマテレビと比べて狭いので、斜めからの視聴では、真正面でみるより画像が暗くなりがち。
プラズマテレビ 最大画面サイズ規模の製品がある。

同じ画面の大きさなら液晶テレビより安い。

視野角が広い。

動きの激しい画像(スポーツ中継)をきれいに表示するのが得意。
小型化が難しいため、小さめの画面サイズの製品がない。

どの本体も重量が重くなるので、壁掛け設置は基本的に不可能。

液晶テレビと比べると消費電力はやや高め。

画面表面の材質にガラスが使われているため、明るい環境だと、照明等の光の映りこみが生じやすい。
有機ELテレビ 電圧により発光する有機物を使用するため非常に薄型。

動きの激しい画像(スポーツ中継)をきれいに表示するのが得意。
画面サイズの大型化、有機物の劣化による寿命の短さが課題になっており、まだまだこれから製品の開発が進み需要が伸びる段階。

価格が高い。
リアプロジェクション 同じ画面サイズで比べれば薄型テレビの中で一番安い。

ランプ交換で新品時の画面の明るさに戻せる。
プラズマテレビと同様に画面のサイズが大きい製品しかない。

液晶テレビやプラズマテレビの画面の明るさに少し劣る。

この4つの中から選ぶのは結構悩みます。特に液晶テレビとプラズマテレビどちらにするか悩むでしょう。それぞれの画質の違いはそれほど大きいものではないので以下のように絞り込むと、どれを選べばいいのか見えてくるでしょう。

購入目的 おすすめ薄型テレビのタイプ
小さい画面サイズが欲しい。 20V型クラスが欲しいなら液晶テレビで決まりです。小型化が難しいプラズマテレビでは画面サイズ37V型からしか選べません。有機ELテレビの選択もありですが、まだ価格が高いのが難点です。
それほど大きい画面サイズは必要ない。 30V型や40V型となると液晶テレビ、プラズマテレビ両者から選択できるため悩むところです。同画面サイズで比較しても両者にそれほど価格に差が出ません。よって薄型テレビの使用環境で選ぶと良いと思います。

リビングに設置して家族皆で見ることが多いなら視野角が広いプラズマテレビ、そうでなければ明るく鮮明な画質に期待できる液晶テレビを選ぶと良いと思います。
大画面サイズが欲しい 画面サイズが50V型以上となる大画面サイズの薄型テレビを購入するとするとプラズマテレビを選ぶと良いと思います。液晶テレビでも50V型と大画面サイズの製品がありますが、同サイズのプラズマテレビと比較すると価格が高くなりがちです。
大画面サイズが欲しいけど安く買いたい。 50V型以上の大画面サイズの薄型テレビが欲しいけれど安く購入したいのであればリアプロジェクションテレビを選ぶと良いでしょう。画質は液晶テレビやプラズマテレビと比較してもそれほど劣るほどでもないです。ただブラウン管テレビよりはマシとは言え、液晶テレビやプラズマテレビと比較するとリアプロジェクションテレビの奥行きは少々あります。

チューナー

アナログチューナーは必ずついていますが、将来長く使用するためにも地上、BS、CS110度デジタル放送に対応した製品を選びたいです。特に大型テレビなら地上デジタル放送が普及する頃まで使う可能性が高いでしょう。大型テレビならたいての製品が地上デジタル放送に対応できます。デジタル放送に対応してなくでも後からデジタル放送チューナー(約5万円)を購入すれば、デジタル放送が視聴可能です。

またケーブルテレビを視聴したい方は忘れずにケーブルテレビに対応した製品も選びましょう。

スペックの見方

薄型テレビは特にチューナーと画素数、搭載端子に注目しましょう。

項目 見方
ディスプレイ
画面サイズ
インチサイズ(例37V型)の他に画面の幅と高さも表示されていることが多いです。設置スペースに置けるか確認しましょう。
画素数
解像度
ハイビジョン放送を非常に高画質で楽しめるフルハイビジョン対応の1920X1080ドットですがどうしても製品の価格が高くなります。予算に余裕があり徹底的に画質にこだわるならフルハイビジョン対応の1920X1080ドットを選びたいです。

それほど画質にこだわらないけれど地上デジタル放送のハイビジョン画質の美しさを楽しみたいのであれば、ハイビジョンに対応した1280X720ドット以上を選びたいです。

メーカーによって画素数関連のスペック表示がわかりにくい場合がありますので、フルハイビジョン、またはハイビジョンに対応しているかカタログなどで調べて決めるのがわかりやすいと思います。フルハイビジョンかハイビジョンに対応しているかは重要な事ですのでカタログなどに表記されているはずです。
チューナー 購入したらいずれは確実に地上デジタル放送をみることになりますから、地上デジタルチューナー搭載製品がおすすめです。
入力端子
出力端子
他のAV機器とつなげて高画質で楽しむためにもD端子がついているのがおすすめです。ハイビジョン対応のD3端子かD4端子がついているものがおすすめです。ただしハイビジョン未対応のテレビは基本的にD1端子かD2端子までしかついてません。

製品によってはパソコン入力端子もついており、PCモニターとしても使えます。

レコーダーやゲーム機器等でHDMI端子が普及してきました。HDMI端子は、映像と音声を1本のケーブルでデジタル転送可能で著作権保護機能がついています。映像を高画質で楽しみたい、著作権保護された映像を再生したい等、必要な方はHDMI端子が搭載されたテレビを選ぶと良いでしょう。
消費電力 同画面サイズで比較して消費電力の高いのは順にプラズマテレビ>液晶テレビ>リアプロジェクションテレビです。有機ELテレビは比較が難しいですが、大体液晶テレビと同程度となるでしょう。長時間テレビを使用する方、電気代を抑えたい方は考慮に入れておくと良いでしょう。

テレビ台と壁掛け

薄型テレビを壁に掛けて使用するには壁に工事が必要ですので、多くの方がテレビ台に薄型テレビを設置すると思います。必要な方は忘れずにテレビ台も購入しておきましょう。

またもし壁掛け設置を希望するなら、安全のため専門業者に工事をお願いした方がいいです。なぜなら壁に薄型テレビを設置できるほど壁に強度があるのかの判断が難しいからです。また工事も場合によっては壁を剥がすなどの大掛かりな作業になります。薄型テレビで設置工事も申し込めるショップが多いですので壁掛け設置を希望するなら忘れずに申し込みましょう。