プライベートブランド家電はなぜ安いのか
最終更新日
2018年10月19日
消費者の味方、プライベートブランド商品
家電量販店で販売されている家電製品を見ると、メーカー名が書かれておらず、ブランド名が書かれている家電製品がある事に気づきます。また、あらゆる商品を販売しているショップ(大手スーパーマーケットなど)でも、同様な家電製品が売られている場合があります。このような家電製品は、プライベートブランド家電と呼ばれており、特に安さを重視した消費者の間で注目されています。もしかしたら、プライベートブランド家電について知らない方が結構いるかもしれません。
しかし、プライベートブランドの食料品や衣料品なら、多くの方が知っているかと思います。例えば、イオンのトップバリューや、セブン&アイホールディングスのセブンプレミアムなどが有名です。
このようなプライベートブランド商品の特徴は、何よりも安い事です。メーカー製の商品と比べ、同様な商品が半額以下になっている場合もあります。
プライベートブランド商品の売り上げは、特に不況の時期となると伸び、出費を抑えたい消費者にとって、大変ありがたい商品ですが、まだまだ市場での売り上げが伸びる余地はあるでしょう。
その理由は、まだプライベートブランド商品に対する安心感や信頼感が、メーカー製の商品よりも低いからと考えられます。安かろう悪かろうと言われている通り、私たちは回りと比べて安い商品には、何か問題があるのではと思ってしまうものです。また、特に大手メーカー製の商品であれば、中身を詳細に検討せずに信頼してしまうものでしょう。よって、プライベートブランド商品を避ける方もいるかと思います。
しかし、プライベートブランド商品が安い理由を知れば、その商品を見直すきっかけにはなるはずです。以下では、プライベートブランド商品が安い理由について考え、それがプライベートブランド家電にも当てはまるが考えてみたいと思います。
プライベートブランド商品が安い理由
プライベートブランド商品が安い理由について分かりやすく書かれた本「クルマは家電量販店で買え! 吉本佳生 著 ダイヤモンド社」がありますが、この本より引用すると- 宣伝や販売促進のコストがかからない
- 労働者の賃金が安い中国などにある専用工場で製造する
- NBメーカーの工場で、空き時間に製造してもらう
- 大量に発注して、完全に買い取る(返品しない)
- すぐにおカネを支払う(現金払いの場合もある)
まず1の宣伝や販売促進のコストがかからない理由は、プライベートブランド家電にも当てはまるでしょうメーカー製の家電では、メーカー側による積極的な宣伝や販売促進活動が必要となります。例えば、テレビや新聞、雑誌などへ広告を出すと、かなり費用がかかり、家電の価格にも影響を及ぼすでしょう。一方、有名なショップのブランドが付けられたプライベートブランド家電なら、特に目だった宣伝活動などを行う必要がありません。
2の理由についてですが、今では、たいていのメーカー製の家電は、中国や東南アジアなどの人件費が安い国で製造されていますので、2の理由は、ナショナルブランド家電(メーカー製家電)にも当てはまる事だと思います。しかし、プライベートブランド家電では、様々な工夫を行い、可能な限り安く済ませられる工場で製造されているのかもしれません。
3の理由についてですが、家電の工場の実態がわからないので、何とも言えません。ナショナルブランド(NB)の家電製造工場の空き時間に何をしているのか、詳しく書かれた参考資料があれば、わかる事ですが、今のところ私はそのような参考資料を見た事がありません。
4と5の理由は、両者共にプライベートブランド家電に当てはまりそうです。家電を製造している立場になって考えれば、大量に発注してもらい、かつ返品が無く、お金がすぐに支払われるので、大変良い条件でしょう。この条件なら、安く受注しても割りに合い、その分価格が安くなります。
プライベートブランド家電の人気は伸びるのか
以上のプライベートブランド家電が安い理由を踏まえると、気になる重要な点は、家電製品の品質に問題がないかでしょう。もし質が悪い工場で製造されたのであれば、不安がありますし、製造後の品質チェックがしっかりと行われているのかも気になります。実際に購入した人の意見をウェブサイトなどにて参考にできれば良いのですが、まだプライベートブランド家電の歴史は浅く、まだ十分なレビューがありません。
この理由は、恐らく家電に関しては、まだまだ、プライベートブランドよりはナショナルブランド(メーカー)の方を選ぶ方が多いからと考えられます。また、家電製品は長期間に渡って使用するものであり、食料品などのように頻繁に買うものではないため、同様な家電製品と比較するのは難しいでしょう。
私は、まだプライベートブランド家電を買った事がないから、その使い心地や品質などはまだよくわかりません。買わない理由は、やはり安いとはいえ、それなりの価格だからです。
プライベートブランドの食料品なら、すぐに味などを確認でき、価格自体は、たいてい高くても数百円程度ばかりなので、購入後の後悔の度合いは、それほど大きくなりませんが、家電製品だと長年に渡り使い続けますし、購入後に不満に感じてしまうと、かなり後悔の度合いが大きくなってしまうでしょう。
それに、ナショナルブランド(メーカー)家電の値下がりが随分と進み、こちらでも十分安いと感じます。このように感じる方は結構いるのではないでしょうか。よって、しばらくはプライベートブランド家電の成長スピードは、ゆっくりしたものになると私は考えています。