タコ足配線の危険性
最終更新日
2018年10月19日
タコ足配線とは
各家庭には、壁にコンセントの差込口が幾つか設けられていますが、これだけ電気を消費する家電製品が普及した今、とても住居にあるだけのコンセントの差込口の数だけでは足りないでしょう。このような問題を解消するために、1つのコンセント差込口に、延長ケーブル、またはテーブルタップなどと呼ばれている機器を接続し、コンセント差込口を増やす事は、各家庭で一般的に行われている事だと思います。
今ではコンセントの差込口を1つから10以上の数に増やす、テーブルタップも珍しくありません。そのようなテーブルタップに、各家電製品のコンセントを差し込むと、まるでタコの足のように見えることから、コンセント差込口が多いテーブルタップを使用して、多くの家電製品をつなぐ事を、タコ足配線と呼びます。
タコ足配線は、使い方を誤ると危険
タコ足配線そのものが危険だと指摘する声もありますが、電気を利用する家電製品が多い以上、タコ足回線を使わざるを得ませんし、またタコ足配線を可能とするテーブルタップなどが売られている事もあり、タコ足配線を行う事自体が危険というわけではないと考えられます。では、タコ足配線の何が危険かというと、各テーブルタップに定められた最大消費電力を超える状態になる場合です。たいていのテーブルタップは、1500Wまで使用可能となっており、それを超えてしまうと、火災などの事故につながる恐れが出てきます。
よって、消費電力が高い家電製品をテーブルタップに接続するときは注意が必要です。例えば、電子レンジはどの製品も消費電力が高いので、冷蔵庫や、炊飯器、電気ポッドなどの他の調理家電とタコ足配線を行うと危険です。
また、冬になると、コタツや電気ストーブを使う方も多いと思いますが、電気を使う暖房器具は総じて消費電力が高いものです。よって、複数の暖房器具をテーブルタップにつなげて使うと、テーブルタップで使用可能な消費電力を超えてしまう恐れがあり、大変危険です。
また、テーブルタップで使用可能な最大消費電力以内であっても、限界値ぎりぎりの消費電力で使うと危険な場合があります。たいていのテーブルタップは、上限の消費電力を超えても、発煙や発火をしないよう安全性を求めて設計されていますが、安い粗悪なものだと、異常な発熱が起こり、熱による変形や発煙、最悪火災の原因にもなりえます。
信頼性の高いテーブルタップを使う事も重要
市場には、国内製から海外製までのテーブルタップが売られており、同様なテーブルタップに見えても、製造メーカーによって多少の価格差があります。一般的に、国内メーカー製の方が、価格よりも品質に重点を置いている印象を受けます。もちろん、国内メーカーの製品だからといって、全てのものが品質が高いと言えるわけではありませんが、日本ではものづくり大国としても世界的に有名であり、海外では価格が高くても日本製の家電製品が人気が高いと言われているほどです。
テーブルタップでも、価格よりも中身を重視して製造している国内メーカーがあり、その代表的なメーカーの一つがナショナルです。コラム:そこが知りたい家電の新技術ナショナル「ザ・タップX」にて、詳しく紹介されていますが、安価な海外製のテーブルタップが国内の市場に入ってきて、ナショナル製のテーブルタップはシェアが落ち込んだものの、ただ安い製品で勝負する事はせずに、安全でいい製品を作り続け、多くの消費者に受け入れられています。
海外製のテーブルタップでも、大半は品質が高く信頼性も十分あるでしょうが、ネット上では、テーブルタップも安かろう悪かろうという言葉が当てはまるような意見が見られます。また、過去には正常に使用していても事故が起こりうるテーブルタップが問題となった事もありました。
例えば、ワイエム企画のテーブルタップが発煙、国民生活センターが注意喚起などで報じられましたが、あるテーブルタップに、スイッチ部に問題があり、消費電力の高い家電製品を接続すると、発熱により変形や発煙が起こる恐れがあるという問題がありました。スイッチ付きテーブルタップの発煙に注意!(報道発表資料)_国民生活センターにてさらに詳しい情報が見られますが、欠陥品であると言えるくらい危険なテーブルタップが市場で売られていたのがわかります。
今でも、欠陥があるテーブルタップが売られていないとは限りません。最悪火災につながりかねない原因となりうるテーブルタップの選択も、慎重に行うのが無難です。