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インターレース方式、プログレッシブ方式の違い

最終更新日 2018年10月19日

違いは、フレームの作り方にあり

デジタルビデオカメラには、インターレース方式で撮影するものと、プログレッシブ方式で撮影するものがあります。

それぞれの方式で撮影された映像を見ると、大きな違いは見られませんが、特に動きの激しい映像を見るときや、映像を静止させると、その違いが表れます。

なぜなら、どちらの方式で撮影された映像も、パラパラ漫画のように一枚一枚の静止画で成り立っているわけですが、その静止画の作られ方が異なるからです。また、映像の元となる静止画は、フレームと呼ばれます。

インターレース方式では、1つのフレームは、細く分割された細線で成り立っている2枚の静止画で成り立っています。この静止画は、フィールドと呼ばれ、見える細線と見えない細線が交互になっています。

1つのフレームを作る2つのフィールドは、それぞれ見える細線と見えない細線の位置が異なっており、2つのフィールドを合わせると、全体が見える1枚の静止画、すなわちフレームとなります。

つまり、1枚のフィールドだと何も見えない細線が存在しますが、前後のフィールドを合わせると、1枚として正常に見えるフレームが成り立ちます。ただし、実際の映像では、1つのフレームを構成する2つのフィールドは、時間差を置いて別々に表示されますので、画面を止めたりすると、1フィールド分の静止画しか表示されません。

2つのフィールドによるフレームのイメージ
図1 2つのフィールドによるフレームのイメージ


一方、プログレッシブ方式では、フレームは、写真のように1枚の静止画となっており、プログレッシブ方式の方が、パラパラ漫画のイメージに近いです。

インターレース方式のメリット、デメリット

メリット
  • 動きの激しい被写体でも、映像が滑らかに表示されるように撮影できる。
  • フレームレートが低くても、擬似的にフレームレートを高くできるため、動きの激しい被写体の撮影に有利。(例えば、1秒間に30フレーム記録する場合、60フィールド記録するが、撮影した映像を見ると、人間の目では錯覚により擬似的に60フレームに見える。)
デメリット
  • 映像を静止させると、ぼやけて鮮明な静止画が得られない。
  • フレームレートを高くしても、高画質な映像が得られにくい。

プログレッシブ方式のメリット、デメリット

メリット
  • 動きの激しい被写体を撮影した映像を静止させても、くっきり表示できる。
  • フレームレートが高ければ、動きの激しい被写体でも、高画質な映像を撮影できる。
デメリット
  • フレームレートが低いと、動きの激しい被写体を撮影した時、カクカクした映像になりやすい。